XMLの本当のメリットと「ゲド戦記」興行的成功の類似点

XMLのメリット、デメリット

XMLのメリット・デメリットについて改めてまとめてある。

問題はメリットの方。ここであげられているのは以下のもの。
(引用者略)
さて、このメリットのいずれも「XMLならでは」ではない。 プレーンテキスト、S式、YAMLなどでいけない理由はない。

この記事は一応は「XMLのプロ」による記事なのだと思うのだが、 それで改めてメリットを紹介するのに、この程度のメリットしか出てこない というのはどういうことなんだか。

XMLの「本当のメリット」ってなに?

これを読んでこれに似てると思った。

 顕著な例で逝くと、最近一気にブーム終息となった韓流ブームである。詳細は省くが、テレビなどのマスメディアを利用した広告宣伝の量的集中投下を前提とした技法と、ワイドショーなど無料のパブリシティを組み合わせた技法のミックスで世間の注目を煽ることが大事である。W杯もそうだし、亀田さんの世界戦もそうだし、『日本沈没』もそうだし、たぶん『ゲド戦記』もそうだ。この場合、話題性と結果・評価はあまり連動しない。むしろ、結果や評価が芳しくなくても芳しくなかったなりに、自己の周辺で展開される話題についていければ効果があることになるのだ。作品やイベントが良いのか悪いのかは然程本質を突かない。亀田さんの世界戦の判定がおかしかろうと、『日本沈没』がくだらなかろうと、話題を志向してコンテンツを消費する人たちにとってはそれについてあーだこーだ語れればそれでいいのである。

 結果として、作品として楽しめたかどうかよりも、自分の周囲で話題になっていたかどうかが、コンテンツ消費の基準となる。自分の周辺で『涼宮ハルヒの憂鬱』を語っているのが職場で浮いてるキモいオタクだけのようだという話になると、自らそこに関わっていく動機がそもそもなくなる。良質な作品が話題性のあるコンテンツではないのだ。この場合、そこに介在する酷評――例えば『ゲド戦記』は超絶につまらない、など――さえも、そのコンテンツが話題の俎上にある価値を示す。

話題になり名前が売れれば売れるほど、その本質的な意味や価値に係わらず積極的に採用されるようになるっつー話で、要は技術的なメリットデメリットとは関係ねーんじゃね?と。



というか、技術的にあまり明るくない割に製品開発に携わってるエグゼクティブな方々にとってはある技術の持つ価値っつーのはぶっちゃけ他人*1に「私こんな事まで知っているわけでございまして」と自慢できるっつー点だけであって、もう1歩進んだところで「弊社はこんな技術まで使ってますのよ」っつーぐらいで、その技術的な本質とか出来不出来とかそういうのはどーでもよろしいというあたりに集約されるのがまた。
実際のとこS式であったりYAMLの採用であったり利用であったりを自慢したとこで『涼宮ハルヒの憂鬱』を語るマイノリティ的な扱いを受けるのは自明すぎるほど自明なわけで*2

現場のエンジニアからすりゃ噴飯ものの決定であったとしてもそういったエグゼクティブな方々っつーのは一番黙ってて欲しいところで「鶴の一声」を発動しやがるもんで、自然やっつけ仕事の野良XMLが増えたりしつつ順調にXMLの採用率は高まっていくという流れが出来上がっててもう引き返せないとこまでやってきてるんじゃねーかと。

特にその実態はともかく「自分は技術に明るい」と思ってるエグゼクティブであればあるほど良くわからない理由をしたり顔で語りながら「時代はXMLだ」とか「XMLこそがWeb2.0への布石」とか不思議な呪文を唱えたりして、そんなのを正面切って反論したりすると明日の首もわからないというかそれ以前にただでさえ不足しがちな工数を大量に吸い取られるのは御免だっつー方向に流れるのは当然で、そんな現状にして自然と現場のエンジニアが取る「面倒が無い方針」は

後でごちゃごちゃ言われてもかなわんからとりあえずXMLで作るか。中身はINIと変わらんけど。

であったり

後でごty(ry とりあえずXMLで作るか。ノード1個にCDataSectionでカンマ区切りのテキスト入ってるだけだけど

だったりするってのがXML流行の根底のとこなんじゃねーの?と。

要するにXMLのメリットっつーのはうるせーエグゼクティブの虚栄心をくすぐりつつ面倒を避けるっつー極めて政治的なとこにあるんじゃねーかね、と実体験上から思うのであります。

非常に頭が痛いのはそろそろWebServiceとかSOAPとか下手するとWeb2.0なんつーのもこの手のワードになりつつあるって現実なわけで。くわばらくわばら。

*1:たまに他社。しかもそこの技術的には明るくないエグゼクティブだったりする

*2:自慢しなきゃいいじゃんてのは間違いないんだけど「自慢したい、故にエグゼクティブである」みたいな。自分でも何言ってるかわからん。